夕方になると、お尻が痛い。座り直しても落ち着かない。椅子のほうを疑ってみたら、座面が固くなっていました。
座面がへたっただけなら、椅子ごと買い替えなくて大丈夫です。上に置く座布団で足ります。私はそれで、買い替えを先送りにしたまま9か月が過ぎました。
ちゃんとした椅子は数万円します。ほかの出費と並べると、お尻が痛いくらいで出す金額ではありません。かといって、痛いまま座り続けるのも困る。
何が起きていたか
その椅子は、買ったときはちゃんとクッションが仕事をしていました。柔らかすぎず、沈みすぎず、長く座っても平気でした。
それが、何年も座り続けるうちに変わっていました。体重で中身が潰れて、座面が固くなっていたのです。
毎日少しずつ変わるので、途中では気づきません。気づくのは、お尻が痛くなってからです。私も、椅子を疑ったのは痛みが出てからでした。
いま座っている椅子がその状態かどうかは、座っていない時間に分かります。誰も座っていない状態で、座面を上から見てください。お尻が当たるあたりだけが、まわりより低くなっていないか。手で押して、離したときに戻ってくるか。戻りが鈍ければ、中身はもう潰れています。
へたると、なぜお尻が痛くなるのか
クッションの役目は、体重を面で受けて散らすことです。中身がしっかりしているうちは、お尻の一点にかかる力が広い面に分けられます。
中身が潰れると、それができなくなります。体重を受け止める厚みが減って、座面が板に近づいていきます。同じように座っていても、当たっているところにかかる力が強くなります。
痛みが夕方に出るのも、これで説明がつきます。座っている時間が長くなるほど、同じ場所に力がかかり続けます。
痛みが出たときに疑うのは自分の座り方ではなく、まず椅子の座面です。
椅子を買い替えるか、上に足すか
ここで選択肢は2つです。椅子を買い替えるか、いまの椅子の上に何か足すか。
値段の幅が違います。座り心地でまともに選ぼうとすると、椅子は数万円からです。座布団は数百円から1万円を超えるものまであって、幅がかなり広い。「座布団なら安い」とは言い切れません。
私は、安いほうから試すことにしました。座布団で足りたなら、椅子の買い替えはそのぶん先に延ばせるからです。足りなければ、そのときに買い替えればいい。
安いほうから試す理由は、もうひとつあります。座布団は、椅子を買い替えたあとも使えます。新しい椅子がしばらくして同じようにへたってきたら、また上に置けばいい。持ち運べるので、別の椅子にも回せます。試して外れても、丸ごと無駄にはなりません。
逆に、先に椅子を買ってしまうと、この確かめ方ができません。買い替えた椅子が自分に合わなかったとき、返すのも置いておくのも面倒です。
「買い替える前にできることがないか」を先に探すのは、パソコンでも同じです。同じ考え方の記事があります。

座布団は、大きく3種類に分かれます
Amazonで探すと数えきれないほど出てきますが、椅子の上に置くものは、狙いで3つに分かれます。
- 厚みで逃げるもの。クッション性を足して、座面の固さを届かなくする
- 姿勢を変えるもの。傾きや形で骨盤の角度を変える
- お尻の形に合わせるもの。当たるところを避ける、へこみや穴のあるもの
私が探していたのは1つ目です。座面が固くなったことが原因だと分かっていたので、そこを埋められればよかった。姿勢を直したかったわけでも、特定の場所が痛かったわけでもありません。
見分け方は、商品の説明の1行目に出ています。「厚さ」「クッション性」と書いてあれば1つ目、「骨盤」「姿勢」なら2つ目、「穴」「ドーナツ」「尾てい骨」なら3つ目です。
私は2つ目と3つ目を外しました。姿勢を変えるものは、正しく置かないと効果が出ないうえ、座り方まで変えることになります。穴のあるものは、当たって痛い場所がはっきりしている人のためのものです。私の困りごとは「座面が固い」だけだったので、そこだけ埋めれば済みました。
ここを決めずに探し始めると、何を比べているのか分からなくなります。先に「自分はどれが要るのか」を決めてください。
買う前に、家にあるもので確かめられます
買ったあとで合わないと分かるのが、いちばん困ります。私が実際に試した方法ではありませんが、買う前に見当をつける手はあります。バスタオルを畳んで、座面に敷いてみてください。
厚みが3センチくらいになるように畳んで、いつもどおり座ってみてください。半日も要りません。いつも痛くなる時間帯にかけて2〜3時間座れば、見当はつきます。これで夕方の痛みが軽くなるなら、原因は座面の固さだという見込みが立ちます。座布団を足す方向で合っています。
逆に、タオルを敷いても同じように痛いなら、原因は別のところにあります。そのまま座布団を買っても、たぶん同じ結果になります。この記事の最後で、その見分け方を話します。
タオルはあくまで確かめるためのものです。毎日使うには向きません。畳んだ形が崩れますし、ずれます。
買う前に、座面を測っておいてください
ここで一度、手を止めて測ることをお勧めします。座布団は、椅子の座面より大きいと角が浮いて、小さいとお尻がはみ出します。どちらも座り心地に直接ひびきます。
測るのは2つだけです。座面の幅と、奥行き。背もたれの付け根から、座面の前の端までが奥行きです。メジャーが無ければ、A4の紙が縦29.7センチなので、それを目安にしても構いません。
そのうえで、商品の寸法と見比べてください。座面より少し小さいくらいが扱いやすいです。私が使っているものは幅40センチ、奥行き42センチで、厚さが5センチあります。
肘掛けのある椅子は、幅の測り方に1つ気をつけてください。測るのは座面の幅ではなく、左右の肘掛けの内側の幅です。座面に収まっても、肘掛けのあいだを通らなければ入りません。ここは買ってから気づいても遅いところです。
厚さも見ておいてください。座面が5センチ上がると、机との高さの関係が変わります。肘の角度が変わって、肩が上がることがあります。椅子の高さを下げて調整できるなら問題ありません。
選んだのはテンピュールの座布団
私が使っているのは、テンピュールの座布団です。デスクチェアの座面に、そのまま置いて使っています。
座布団としては、安いほうではありません。数百円のものがいくらでもあります。その中で1万円を超えるものを選ぶのは、それなりに迷いました。

座った感じは、沈むというよりお尻の形に馴染むほうが近いです。柔らかいものに乗った感じはしません。
買う前に気にしていたのは、ずれるかどうかでした。椅子の上に置くものは、ずれます。座り直すたびに前に出てきて、そのたびに手で直すことになる。1回は何でもありませんが、1日に何度もとなると、そのうち外してしまいます。
私がいまも外さずに使っているのは、これがずれないからです。裏面が滑らないので、座り直しても位置が変わりません。

それから、夏です。買う前にいちばん心配したのがここでした。厚みのあるものを椅子に足すと、蒸れて夏に使えなくなるのではないか。クッションを足して失敗する話でよく聞くのが、この蒸れです。
結果としては、ひと夏使って、暑さが気になったことはありません。暑いから外そうと思った日はありませんでした。ただ、ここは体質にも、置いている部屋の環境にもよるはずです。私がそうだった、というだけです。

テンピュール シートクッション(ダークブルー)
幅40cm/奥行42cm/厚さ5cm
デスクチェアの座面に置いて使っています。買ったのは2025年12月で、そのとき12,000円ほどでした。いま9か月目です。値段は動くので、現在の金額は下のボタンから確かめてください。
翌日座ると固い。これがいい
朝、座り始めは固いのです。
前の日に何時間も座ると、お尻の形に馴染んできます。翌日また座ると、その馴染んだ感じはいったん消えていて、固い板に近い手ごたえから始まります。そして座っているうちに、また馴染んでいきます。
なぜこれが良いかというと、1日の終わりまで同じ沈み方をしないからです。柔らかいクッションは、座った直後がいちばん快適で、そこからは沈む一方です。こちらは逆で、固いところから馴染んでいって、立ち上がるとまた戻ります。
この固さが、私はたまらなく気に入っています。柔らかいまま沈み込んでいるより、始まりが固いほうが、座り心地が落ち着きます。
なぜそうなるのかは、メーカーの説明とつながっているようです。テンピュールという名前は、温度(temperature)に敏感であるという素材の特性に由来する、と公式サイトに書かれています。
取り扱いの案内には、もう少し具体的に書かれています。18℃以下の涼しい室内では硬く感じられ、室温が高いと柔らかく感じられる。そして、使っているうちに体温や室温に馴染む——テンピュール製品のお取り扱い方法にそうあります。朝の固さは、これで説明がつきます。
ただし、メーカーが言っているのは室温の話で、「朝は固くなります」とは書かれていません。朝が固いというのは、私が毎朝そう感じている、というだけの話です。部屋の暖房の入り方でも変わるはずです。
ひとつ、商品ページでの見え方について。この素材は分類上は低反発(メモリーフォーム)です。公式サイトもそう説明しています(ただし、一般的な低反発素材とは違う、とも書かれています)。
これで足りない場合もあります
座布団で足りるのは、原因が座面のへたりだったときです。ここが違うと、上に何を置いても解決しません。
| 座布団で足りる | 座布団では直らない |
|---|---|
| 座面が固い。沈んだまま戻らない | 座ると椅子そのものが沈んでいく |
| お尻が痛い。夕方にひどくなる | 背中や腰が痛い |
| 椅子を揺すってもきしまない | きしむ音がする。座面の枠が歪んでいる |
| タオルを敷くと軽くなる | タオルを敷いても変わらない |
右の列にひとつでも当てはまるなら、座布団を足しても、その上に同じ問題が乗るだけです。買い替えを考えたほうが早いと思います。逆に左の列ばかりなら、座布団で足ります。全部そろっていなくても構いません。
座布団を足しても解決しないことが、もうひとつあります。座面の奥行きが体に合っていない場合です。深すぎる椅子は、背もたれに背中をつけると膝の裏が浮き、浅いと太ももが支えられません。これは厚みを足しても変わりません。
そして、私の座布団も9か月目です。これが何年もつのかは、まだ言えません。もとの椅子も、買った当初はちゃんとしていました。
机まわりで「買い替えるほどでもないが、困っている」という話は、ほかにもあります。

9か月使って、いまどうしているか
買ったのは2025年の12月で、そこから毎日座っています。椅子はまだ買い替えていません。
そして、座布団のほうも、へたってきた感じはありません。もとの椅子は、座面が沈んだまま戻らなくなって固くなりました。いまのところ、それと同じ変化は出ていません。
値段は迷いました。座布団に1万円を超える金額を出すのか、と最後まで引っかかっていました。9か月経ったいまは、買ってよかったと思っています。ほかのものに買い直したいとも思っていません。
数万円の買い替えを、1万円ちょっとで先送りにした形です。先送りが続くかどうかは、椅子のどこが弱っているかによります。座面のクッションだけなら、この形でしばらくもちます。ほかが傷んでいるなら、遅かれ早かれ買い替えになります。
私の椅子は前者でした。だから、いまも上に置いたままにしています。
まとめ
- 夕方にお尻が痛いなら、まず椅子の座面を疑う。座り方の問題ではありません
- 座面がへたっただけなら、椅子ごと買い替えなくていい。値段の桁が違うので、安いほうから試す
- 座布団は狙いで3つに分かれる。自分がどれを必要としているかを先に決める
- 椅子の上に置くものは、ずれるかどうかで続くかが決まる
- 沈んでいく、きしむ、腰が痛い。このどれかなら座布団では直らない
椅子の買い替えは、いつでもできます。私は9か月、買い替えずに済んでいます。合わなければ別の椅子に回せばいいので、先に試して損はしませんでした。
