自宅のWi-Fiルーター、いつ買い替える?|「まだつながっている」は大丈夫という意味ではありません

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自宅のWi-Fiルーター、いつ買い替える?|「まだつながっている」は大丈夫という意味ではありません

うちのルーターが壊れたときのことを、いまでもよく覚えています。ある日とつぜんインターネットが使えなくなって、家じゅうが大騒ぎになりました。

スマホが外につながらない。テレビで動画が見られない。調べものもできない。止まってはじめて、家の中のほとんどがルーターを通っていたのだと分かりました。昔なら「今日はネットが使えないね」で済んだかもしれません。でも動画とスマホが当たり前になった家では、想像していたよりずっと不便でした。

この記事が答えるのは1つです。いま使っているルーターは、まだ使っていていいのか。壊れていないのに買い替えるのはもったいない、という気持ちはよく分かります。そのうえで、判断の材料をお渡しします。

先にお伝えしておくと、「何年たったら買い替え」という決まりは、調べても出てきませんでした。ですからこの記事は、年数ではない決め方をご案内します。やっていただくのは、本体の型番を1つ調べることだけです。それで答えが出ます。

その前に、言葉を1つ決めさせてください。この記事で「ルーター」と呼ぶのは、Wi-Fiを飛ばしている箱のことです。棚に箱が2つ並んでいる家がよくありますが、壁から来ている線につながっているもう1つの箱は、たいてい回線の会社から借りているもので、こちらで買い替えるものではありません。2つが1台にまとまっている家もあります。

目次

先に結論:ルーターの寿命は3つあって、別々にやってきます

ルーターは「壊れたら替える」ものではありません。つながったまま寿命が来ることがあるからです。しかも寿命は1種類ではなく、次の3つが別々にやってきます。

  • 機械としての寿命……中の部品が古くなる。たまに切れる、再起動すると直る、が増えてくる
  • 速さの寿命……新しいスマホやパソコンの速度を出しきれなくなる。壊れてはいない
  • 安全の寿命……メーカーが修正プログラムを出さなくなる。これだけは、使っている本人からは何も見えません

1番の機械としての寿命は、熱がいちばんの原因です。ルーターは電源を入れっぱなしで何年も動き続けます。閉じた棚の中やテレビの裏など、熱がこもる場所に置かれていることも多い。中の部品はゆっくり傷んでいくので、多くは「たまに切れる」から始まります。

2番の速さの寿命は、いちばん分かりにくいものです。ルーターは壊れていません。ただ、新しいスマホやパソコンが出せるはずの速さを、古いルーターが受け止めきれない。契約している回線は速いのに、家の中だけ遅いという形で表れます。買い替えれば直りますが、急ぐ話ではありません。

どれか1つでも来ていたら、そのルーターは替えどきです。3つそろう必要はありません。とくに3番目は、画面にも動作にも出ないまま進みます。この記事で本当にお伝えしたいのは、そこです。

「何年で寿命」という数字は、実はどこにも決まっていません

「ルーターの寿命は何年ですか」と聞かれることがあります。調べると「4〜5年」「6年」「10年」といった数字がいくつも出てきます。私もこの記事を書くにあたって、その数字の出どころを探しました。

確かめた範囲では、公的機関の案内に「何年で買い替え」という年数はありませんでした。総務省の案内にも、年数は書かれていません。よく見かける年数は、記事を書いた人がそれぞれの経験や目安で出しているものです。間違いというわけではありませんが、あなたのルーターに当てはまる保証はありません。

メーカーのほうは年数を出しています。ただしそれは「寿命」ではなく「サポート期間」の年数で、しかも数え方が私たちの感覚とは違います。ここが分かると、見るべきものがはっきりします。次の章がその話です。

正直に言えば、私自身も「うちはだいたい5年くらいで壊れている気がする」という感覚を持っています。でもそれは私の家の話で、根拠のある数字ではありません。だから年数で決めるのはやめて、別のもので決めます。次の章がその「別のもの」です。

ついでに言うと、「10年使えた」も「3年で壊れた」も、どちらも本当です。同じ機種でも、風通しのよい棚に置かれたものと、テレビの裏でホコリをかぶっていたものとでは、傷み方がまるで違います。年数がばらつくのは当然で、だからこそ平均の数字を自分に当てはめても意味がありません。

年数の代わりに見るのは「メーカーのサポートが続いているか」です

ルーターにも、パソコンのWindowsと同じようにサポートの期限があります。期限を過ぎると、弱点が見つかっても直すためのプログラムがもう配られません。壊れてはいないのに、守りだけが止まる状態です。

ここで多くの方が意外に思うところがあります。この期限は「買った日」からではなく、「その商品が売られなくなった日」から数えます。

年数も呼び方もメーカーによって違います。バッファローは、修理は製造終了から原則3年、修正プログラムの提供は製造終了日から5年、または商品ごとに決められた期間のうち長いほう、と公表しています。NECのAtermは、販売終了から約3年間がサポート期間、としています。片方は「製造終了」、もう片方は「販売終了」。年数も3年と5年で違います。

つまり「何年」の部分は、メーカーごとに調べるしかありません。共通しているのは起点だけ——あなたが買った日ではない、ということです。だからこの記事は、年数ではなく型番で調べることをおすすめしています。

これが実際に響いてきます。売れ残っていた型を安く買った場合、手に入れた時点で期限がかなり進んでいることがあります。「まだ2年しか使っていないのに」と思っても、その2年は売られなくなってから数えて5年目や6年目かもしれません。安い買い物ほど、ここを確かめる値打ちがあります。

国も同じことを言っています。総務省は家庭でのWi-Fiの使い方として、サポート期限のあるルーターを使うことと、ファームウェアを最新の状態にしておくことを挙げています。業界団体のデジタルライフ推進協会も「サポート終了前に買い替えをご検討下さい」としています。どちらも年数ではなく、サポートが続いているかどうかで言っています。

自分のルーターを確かめる5つ

ここは見るだけです。設定を変える話ではないので、気軽にどうぞ。

その前に、冒頭の話をもう一度だけ。これから調べるのは、Wi-Fiを飛ばしているほうの箱です。どちらか分からなければ、回線の会社に両方の型番を伝えて聞くのがいちばん早いです。

  1. 本体の型番を調べます。底面か背面のシールを見てください。英数字がいくつも並んでいて迷いますが、探すのは「型番」「品番」「Model」といった言葉が添えられた1つです。ネットワーク名(SSID)、暗号化キー、製造番号(シリアル)は別のものなので、そこは飛ばして構いません。本体の箱や、買ったときの明細に載っていることもあります
  2. その型番で、メーカーのサポートページを見ます。「型番 サポート終了」で検索します。開くのは、そのルーターを作った会社のページだけにしてください。価格の比較サイトや個人のブログも並びますが、答えを持っているのはメーカーだけです。サポートが終わっていたら、それが答えです。年数を数える必要はありません
  3. 一覧に自分の型番が無かったときは、まだ判断できません。ここで迷う方が多いところです。「終わったものの一覧」に載っていないのは、まだ終わっていないからかもしれませんし、古すぎて一覧から外れたからかもしれません。分からないときは、メーカーの問い合わせ窓口に型番を伝えて聞いてください。買ったお店でも構いません
  4. 暗号化の方式を見ます。総務省は暗号化の方式として WPA2 か WPA3 を選ぶよう案内しています。スマホでは表示されないことがあるので、Windowsのパソコンがあれば、設定からネットワークとインターネット、Wi-Fi と進み、いまつながっているネットワークの詳細を開くのが確実です。それより古い表示のままなら、替えどきの理由が1つ増えます
  5. 最近の様子を思い出します。つながりにくい日が増えた、再起動すると直る、夕方だけ遅い。「再起動すると直る」が口ぐせになっていたら、それは機械のほうの寿命のサインです

2番だけでも確かめてみてください。いちばん確かで、いちばん見落とされているのがそこです。

なお、シールが薄れて型番が読めないときは、あきらめて構いません。読めないほど古いのなら、それ自体が答えに近いからです。それでも調べたいときは、買ったときの明細や、回線の会社、買ったお店に聞くのが早道です。型番さえ分かれば、あとは同じ手順で確かめられます。

ここから先は、余力のある方だけで構いません。ここまでと違って、ルーターの設定画面を開く話になります。修正プログラム(ファームウェア)を自動で当てる設定が入になっていれば、あとは何もしなくて済みます。総務省も最新の状態にしておくことを挙げていますが、手で当てにいく人はまずいませんから、自動に任せるのが現実的です。開き方も設定の場所も機種ごとに違うので、型番で調べたメーカーのページに手順が載っています。無理にやらなくても、サポートが続いてさえいれば大きな問題にはなりません。

「まだつながっている」は、大丈夫という意味ではありません

私は仕事柄、たくさんの機器が長い年月を経ていくのを見てきました。そこで感じるのは、ネットワークの機器は「足していくもの」になりやすいということです。必要になったら1台足す。壊れたら替える。でも壊れていないものは、そのまま何年も残ります。つながっている限り、誰も見に行きません。

家庭でも同じで、買ったときのまま何年も使っている家がほとんどです。それ自体は悪いことではありません。問題は、古いルーターが狙われたときに何が起きるかです。

警視庁は、家庭用ルーターの不正利用について注意を呼びかけています。そこにこう書かれています。「一度設定を変更されると従来の対策のみでは不正な状態は解消されず、永続的に不正利用可能な状態となってしまう手法です」。そして「メーカーのサポートが終了したルーターは、ルーターのぜい弱性を改善するためのファームウェアの更新が行われず、セキュリティリスクがさらに高まるため、買い替えの検討をお願いします」とあります。

ここが、パソコンのウイルスとは違うところです。気づいて何かを消せば元に戻る、という話ではありません。だから「壊れていないから大丈夫」という考え方だけは、置いていってください。

怖い話をしましたが、慌てて今日買い替える必要はありません。サポートが続いているルーターなら、更新が届いているうちは守られています。危ないのは「終わったのに使い続けている」状態で、それは調べれば分かります。だからまず、調べるところまでで十分なのです。

では、乗っ取られているかどうかは分かるのか。ふだんの使い心地からは、まず分かりません。速度が落ちるわけでも、画面に何か出るわけでもないからです。警視庁が新しい対策として挙げているのも、見覚えのない設定変更がされていないかを、ときどき確かめることでした。裏を返せば、それくらいしか気づく手立てがないということです。

なお、Wi-Fiのマークに「インターネットなし」と出て慌てている方は、買い替えの前に見るところがあります。壊れていないことのほうが多いので、先に「Wi-Fiに『インターネットなし、セキュリティ保護あり』と出たら」を読んでみてください。

替えると決めたら、何を見るか

この記事では、どの製品がいいという話はしません。買い替えるかどうかを決めるのがこの記事の役目で、機種選びはまた別の話だからです。

ただ1つだけ、決め方の順番をお伝えします。速さの数字より先に、サポート期間を見てください。いま売られている中でも、発売から時間が経った型は期限が進んでいます。安さで選ぶと、数年後にまた同じ場所に戻ってきます。

それと、新しくしたあとは買ったときのパスワードのまま使わないこと。総務省もパスワードの変更を挙げています。ここは新品でも古い機械でも変わりません。

ルーターのほうが片づいたら、パソコン側の守りが気になるかもしれません。セキュリティソフトを入れるべきかどうかは、「Windows Defenderだけで十分?」にまとめてあります。

また、ブラウザに警告が出るようになったという理由で買い替えを考えている場合は、ルーターとは別の原因のことがあります。そちらは「『接続がプライベートではありません』の直し方」にまとめました。

【買い替えたあとの話】外した古いルーターを、そのまま捨てないでください

いま買い替えを決めていない方は、この章は読み飛ばして構いません。買い替えたときに戻ってきてください。

意外と知られていないのですが、ルーターの中には、あなたの契約の情報が残っています。インターネットにつなぐためのIDとパスワード、そして家のWi-Fiのパスワードです。ふだん目にしないので、すっかり忘れられています。

ですから、買い替えて外したほうは、手放す前に中身を消してください。やり方はメーカーによって違いますが、たいていは本体にある小さなボタンを、細いもので数秒押し続けると買ったときの状態に戻ります。正確な手順は、その型番の説明書かメーカーのページに必ず載っていますので、そこだけ見ていただければ大丈夫です。

人にゆずる場合や、フリマアプリに出す場合はなおさらです。そのまま渡すと、家の回線の入り口ごと渡すことになります。捨てるだけなら、お住まいの自治体の決まりに従ってください。小型家電として回収している地域が多いはずです。

まとめ

  • ルーターの寿命は機械・速さ・安全の3つが別々に来る。1つでも来たら替えどき
  • 「何年で買い替え」という決まりは、公的機関の案内には無い。年数で決めない
  • 代わりに見るのはメーカーのサポートが続いているか。しかもその期限は買った日ではなく、売られなくなった日から数える。年数はメーカーごとに違う
  • 確かめる順番はどちらの箱かを決める → 型番を見る → メーカーのページでサポート状況を調べる → 暗号化がWPA2以降か → 再起動が口ぐせになっていないか
  • ルーターが乗っ取られると、後から気づいても元に戻らないことがある。つながっていることは、安全であることとは別

今日いますぐ買い替えてください、という話ではありません。まず型番を1つ調べるところまでで十分です。それで何年も先まで安心できることもありますし、逆に「もう終わっていた」と分かることもあります。どちらにしても、分からないまま使い続けるよりずっといいはずです。

うちの先代が止まったときは、本当に慌てました。困ってから探すと、落ち着いて選ぶどころではありません。調べるだけなら数分で済みます。

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この記事を書いた人

会社で社内IT(いわゆる情シス寄り)の仕事をしています。
毎日のように「パソコンが遅い」「変な画面が出た」と相談されるので、
その経験をもとに、専門用語少なめでメモしています。

カメラと子どもの写真が好きですが、
凝った撮影テクニックより「どう残すか・どう守るか」派です。

写真をなくしたくない人や、
家族や職場で“なんちゃってPC係”にされている人の
助けになればうれしいです。

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