パソコンが遅い、買い替えどき?|買い替えても直らない遅さの見分け方

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パソコンが遅い、買い替えどき?|買い替えても直らない遅さの見分け方

「パソコンが遅いんだけど、そろそろ買い替えかな」

仕事でパソコンの面倒を見ていると、この相談をよく受けます。そして見に行くと、買い替えなくてよかったことのほうが多いです。

先に結論を書きます。「遅い」には2種類あります。

  • 買い替えれば直る遅さ——機械そのものが古い
  • 買い替えても直らない遅さ——使い方や、中で動いているものが原因

見分けずに買い替えると、新しいパソコンでも同じことが起きます。数万円を出したのに、遅いまま。これがいちばんつらい終わり方です。

この記事は、財布を開く前に見るところの話です。難しい操作は出てきません。

目次

まず、本当に「再起動」しましたか

いちばん最初にこれを確かめます。そして、これだけで直る人がかなりいます。

「毎日ちゃんと電源を切っています」と言われることがあります。それでも、何日も、何週間も再起動されていないパソコンは実際にあります。

矛盾しているようですが、そうではありません。いまのWindowsでは「シャットダウン」と「再起動」が別物だからです。

ここを知らないと、「毎日切っているのに、なぜ調子が戻らないのか」がずっと分かりません。実際、相談を受けて最初に効くのがこれです。

シャットダウンは、完全には終わっていません

多くのWindowsパソコンには、次に起動するのを速くするための仕組みが、はじめから入っています。シャットダウンのとき、状態の一部を保存して終わるようになっています。

おかげで起動は速いのですが、前の状態を少し引き継いだまま立ち上がります。調子が悪いまま毎日引き継いでいる、ということが起こります。

「再起動」にはこの仕組みが働きません。いったん全部終わってから立ち上がります。

スタートメニューの電源アイコンを押して、「シャットダウン」ではなく「再起動」を選んでください。切って入れ直すのとは、結果が違います。

再起動したあと、しばらく使ってみてください。それで軽くなったなら、買い替えの話はここで終わりです。

次に見るのは、3つの数字だけ

再起動しても遅いなら、何が重いのかを見ます。ここで使うのはタスクマネージャーという画面です。

開き方はCtrl キーと Shift キーと Esc キーを同時に押すだけです。3つとも左手の届く範囲にあります。

開いたら、いま動いているものが一覧で並びます。その一覧の上に、列の名前が横に並んでいます。見るのは、そのうち3つだけです。

もし、ソフトの名前だけが並んで数字がどこにも出ていなければ、簡易表示になっています。窓の下のほうか左下に、表示を切り替えるところがあります。そこを押すと、数字の並んだ画面になります。

見る数字高いときに疑うこと
CPU何かが裏で動き続けている
メモリ開きすぎ、または足りない
ディスク読み書きが追いついていない

難しく考えなくて大丈夫です。並べ替えたい列の名前を1回押すと、その数字の高い順に並びます。あとは、いちばん上に何の名前があるかを見るだけです。それだけで、原因の見当がつきます。

心当たりのないものが上にいたら

自分で開いた覚えのないものが、ずっと上にいることがあります。その場合は、その行を右クリックして「タスクの終了」を選びます。

これで軽くなれば、原因はそれです。次に同じことが起きたら、同じものが上にいるかを見てください。毎回同じなら、そのソフトの問題です。

ただし、片端から終了させるのはやめてください。Windows自身が使っているものも並んでいます。終了させていいのは、自分が使ったことのあるソフトの名前だと分かるものだけです。名前に見覚えがなく、意味も分からないものは、そのままにしておいてください。

ディスクが100%のときは、正直に言うと

ディスクが100%になっているパソコンは、よくあります。そして正直に書きますが、これが分かっても、直せないことのほうが多いです。

原因の切り分けにはなります。「メモリじゃなくてディスクが詰まっているんだな」までは分かる。ただ、そこから先の手が限られます。

この状態でいちばん効くのは、あとで書くストレージ(データを入れておく部品)の話です。ソフトをどうこうするより、そちらを疑ってください。

「いつ遅いのか」で、だいたい絞れます

相談を受けたとき、私が必ず聞くことがあります。「いつ遅いですか」です。

いつ遅いか疑うところ
電源を入れた直後から、ずっとストレージ、または裏で動き続けているもの
特定のソフトを使うときだけそのソフト、またはファイル側
しばらく使っていると、だんだんメモリ、または開きすぎ
ある日から急に直前に入れたもの、または更新

自分のパソコンでも、これは効きます。「なんとなく遅い」を「いつ遅いか」に言い換えるだけで、探す場所がぐっと狭まります。

よくある原因を、上から順に

実際に多い順です。買い替えが要るのは、このうち3と4だけで、残りの5つは買い替えずに済みます。順番に見ていきます。

1. 何かの残骸が居座っている

ソフトを閉じたつもりでも、中身が終わっていないことがあります。それが積み重なると、じわじわ重くなります。

実際にあった例です。PDFを読むソフトが、閉じたはずなのにいくつも残っていました。タスクマネージャーで並べたら、同じ名前がずらりと並んでいた。

対処は、それを終了させただけです。それで直りました。買い替えの話にはなりませんでした。

見分け方があります。一覧に同じ名前がいくつも並んでいたら、残骸のサインです。ふつうは1つで足りるものが、閉じるたびに残っていった形です。

ただし、正常でも複数並ぶものはあります。ブラウザがその代表で、タブごとに分かれるので何個も出ます。これは異常ではありません。

2. 重いファイルを、何個も開いている

特にExcelです。中身が詰まったファイルは、開いているだけでパソコンを使い続けます。それを何個も同時に開けば、当然です。

この場合、パソコンは壊れていません。頼んでいる仕事のほうが大きいだけです。

3. ストレージがHDDのまま

データを入れておく部品の話です。古いものはHDD、いまの主流はSSD

ここだけで体感がまるで違います。ほかが同じでも、HDDのままだと起動も、ソフトの立ち上がりも待たされます。

先ほどの「ディスクが100%」は、ここが原因のことが多いです。

どちらが入っているかは、調べられます。先ほどのタスクマネージャーをもう一度開いて、一覧の左側(横に並んでいる場合は上側)にあるメニューから、パフォーマンスを選びます。ディスクの項目に、種類が書いてあります。

HDDだった場合、これはソフトで直る遅さではありません。部品を交換するか、買い替えるかの話になります。

4. SSDでも、古い世代のもの

SSDだから速い、とは限りません。同じSSDでも、古い世代のものは今のものよりだいぶ遅いです。

「SSDだから大丈夫なはず」で止まらないでください。

ここは見ただけでは分かりません。買った年を思い出すのがいちばん早いです。何年も前のパソコンなら、SSDも当時のものです。

5. メモリが8GB

少し前まで8GBあれば十分でした。いまの使い方では、足りない場面が増えています。

ブラウザのタブをたくさん開き、その裏でOfficeを動かし、さらに常駐するソフトが何本か。この状態だと8GBは埋まります。

いくつ積んでいるかも、パフォーマンスの画面で分かります。メモリの項目に、合計の容量が出ています。

ただし「8GBだから買い替え」ではありません。ふだんタブを数枚しか開かない使い方なら、8GBでも足ります。タスクマネージャーでメモリがいつも高いなら、はじめて足りていないと言えます。

何GB積めばいいのかを、使い方ごとにまとめた記事があります。

6. 守ってくれるはずのソフト

意外に思われるかもしれませんが、セキュリティソフトが遅さの原因になることがあります。後で実例を書きます。

気づき方は、タスクマネージャーの一覧の上のほうに、そのソフトの名前がいることです。ファイルをたくさん扱っているときだけ重い、という出方もします。

7. 会社のパソコンなら、管理用のソフト

会社から支給されたパソコンには、利用者からは見えないところで動いている管理用のソフトが入っていることがあります。

この管理用のソフトの調子が悪くて遅い、ということが起こります。ただ、これは利用者側では直せません。勝手に止めるのも避けてください。

会社のパソコンが遅いときは、担当の部署に相談してください。それが正しい道です。

実例:メモリを32GB積んでいるのに「遅い」

この記事で言いたいことが、いちばんはっきり出た例です。

メモリを32GB積んでいるパソコンで「遅い」と相談されました。普通の使い方なら、まず余ります。

見に行ったら、非常に重いExcelファイルを、何個も同時に開いて作業していました。

ここで分かることがあります。性能(スペック)を積んでも、使い方とファイル側の問題は解決しません。この人がもう一段いいパソコンを買っても、たぶん同じことになります。

私はこう返しました。「ワークステーションを買ってください」と。相手は笑っていました。(ワークステーションというのは、重い作業のための専用のパソコンです。)

冗談の形をしていますが、答えとしては正しいと思っています。普通のパソコンの上限を超えた作業をしているなら、変えるのは作業のほうか、そういう作業のための機械のほうです。

「遅い=スペックが足りない」と、誰でも最初に思います。私も相談を受けるまで、そう当たりを付けます。思い込みが悪いのではなく、確かめる順番の話です。

実例:セキュリティソフトが原因だった

自分のパソコンで起きたことです。

2020年ごろの話です。当時はESETというセキュリティソフトを使っていました。大量のファイルをコピーすると、スキャンの処理が異常にCPUを食い、コピーそのものがエラーになるという状態でした。

結局、Nortonに乗り換えて解決しました。

これは5年以上前の、私の環境での話です。いまのバージョンでは改善されている可能性が高く、製品の現在の優劣として読まないでください。ESETが悪いという話ではありません。

ここで言いたいのは1つです。守ってくれるはずのソフトが、遅さの原因になることがある。だから、何を使うかは考える価値があります。

選ぶときの基準は、検出率だけではありません。ふだんの動作を邪魔しないかどうかも、同じくらい実用的な基準です。

「買い替え」と判断する線

ここまでを踏まえて、私が線を引いている場所を書きます。

ソフト側の原因を全部消しても遅いなら、買い替えで確定です。ここから先は、下の目安だけで判断して構いません。

目安は、こうです。

  • 再起動しても変わらない
  • タスクマネージャーで、心当たりのないものが上にいない
  • それでも、電源を入れた直後からずっと遅い

この3つがそろったら、機械のほうを疑ってよいと思います。

もっと確実に確かめる道もありますが、おすすめはしません

いちばん確実なのは、Windowsを入れ直しても遅いかどうかを見ることです。それで遅いなら、残っているのは機械のほうしかありません。

ただし、Windowsを入れ直すと、写真も書類も、入れたアプリも全部消えます。戻せなくなってからでは間に合いません。上の3つで判断がついているなら、ここまでやる必要はありません。

経年劣化については、正直よく分かっていません

ここは、はっきり書いておきます。

「パソコンは古くなると遅くなる」と言われますが、それが本当なのか、私は確かめられていません。

SSDの劣化だとか、熱の影響だとか、説明は世の中にあります。ただ、自分の手で確かめたわけではないので、この記事では理由を断定しません。

言えるのは「変なものが動いていないのに遅いなら、買い替えを検討していい」という結果のほうだけです。理由の説明は、できないままにしておきます。

買い替えると決めたら、その前にひとつ

買い替えを決めた方へ、順番の話をひとつだけ。

新しいパソコンを注文する前に、いまのパソコンの中身を外に出しておいてください。写真、書類、ブックマーク、メールの設定。

理由は2つあります。

  • 遅いパソコンは、動かなくなる手前のこともあります。届くまで待っているあいだに開かなくなったら、間に合いません
  • 移すものを先に把握しておくと、新しい機種を選ぶ基準になります。写真が何百GBもあるなら、容量の小さいものは避けたほうがいい

外付けのドライブに丸ごとコピーしておくだけで構いません。新しいパソコンが届いてから慌てるのが、いちばん損をします。

そのうえで、どう選ぶか。買う順番と、見るところをまとめた記事があります。

直せそうだと分かった人へ

この記事は「見分ける」ところまでです。実際に手を動かして軽くする方法は、別の記事にまとめてあります。

不要な自動起動を減らす、いらないファイルを片付ける、といった具体的な手順はこちらです。

まとめ

  • まず「再起動」。シャットダウンでは完全に終わっていません。これだけで直る人がいます
  • 次にCtrl+Shift+Esc。見るのはCPU・メモリ・ディスクの3つと、いちばん上の名前だけ
  • 「いつ遅いか」を言葉にする。探す場所がぐっと狭まります
  • スペックを積んでも、使い方の問題は直りません。32GBでも遅いことはあります
  • 買い替えの線は「ソフト側を消しても遅い」。そこまで来たら機械の話です
  • 会社から支給されたパソコンは、自分で手を入れない。担当の部署に相談してください

買い替えなくて済むなら、それがいちばん安く済みます。財布を開く前に、再起動を1回。

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この記事を書いた人

会社で社内IT(いわゆる情シス寄り)の仕事をしています。
毎日のように「パソコンが遅い」「変な画面が出た」と相談されるので、
その経験をもとに、専門用語少なめでメモしています。

カメラと子どもの写真が好きですが、
凝った撮影テクニックより「どう残すか・どう守るか」派です。

写真をなくしたくない人や、
家族や職場で“なんちゃってPC係”にされている人の
助けになればうれしいです。

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